米国ギルド試験と大学入試/就職「アメリカの教育の現状と日本の変化」(2019年開催ACM指導者向けセミナーより)

 

上のチラシは、2019年秋に開催された、米国ピアノ指導者NPO団体(American College of Musicians)日本支部主催の、第一回目のセミナーのもので、お声がかかったので、私もお話しさせて頂きました。ニュースター楽器のCEOの同級生が、この日に場所をボランティアで提供してくれたことに大感謝✨
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(*タブレットでご覧の場合、画像/資料をタッチすると画質が良く見やすいです)
左から、日米で経験豊富な、吉村よしこ先生、私、日米で経験豊富な新谷ゆうこう先生、ACM日本支部代表の帰国子女の山田りさ先生です♫
左から、日米で経験豊富な、吉村よしこ先生、私、日米で経験豊富な新谷ゆうこう先生、ACM日本支部代表で、ギルド試験を日本に持ってきた、帰国子女の山田りさ先生です♫

このセミナー後直ぐに、教室のメルマガの方のニュースレターで、内容を生徒に伝えたところ、特に子供の生徒(保護者)からは、気付きの場になったと反響でした。なので、いつか改めて、ブログの方で分かりやすくお伝え出来たらと思っておりました。このセミナーで話された内容は、とても広範囲なため、これから数回に分けて書くことにします。

今回は、タイトルの通り、ギルドピアノ検定試験が、進学/就職や教育にどう影響するのかを、個人的な見解も交えて書きます。

このセミナーへは、地方からも参加してくださった先生もいらして、皆さん「非常に為になった」、「スッキリした」など、ポジティヴな感想を頂き励まされました。また、パネルディスカッション方式だったため、参加された先生の疑問や日本での悩みなど、久々の日本生活で、見えていなかった点なども知れて、私にとっても良い刺激となりました。

ACM(American College of Musicians)は、ギルドピアノ試験を中心に、生徒と先生が同じ目標を持って励めるだけでなく、教育の発展に献出来るのを目的に、生徒と指導者の活動を広げる理念があります。
以下、パンフレットです。

アメリカでは、ピアノ教師が生徒(音楽専門生以外でも)の推薦状を書くのは、昔から一般的なことです。セミナーでご一緒させて頂いた、吉村先生は、アメリカと日本での経験が豊富なので、この辺りについて、資料と共に、アメリカでのピアノをはじめとする、楽器やスポーツの習い事の需要の高さと、アメリカの親の、習い事と教育に対する理解、認識、そして意識差についての説明をしてくださいました。(*米は格差が激しい国なので、主に中流以上のご家庭が基準になりす)

先ず、その際に使用された、アメリカの高校の履歴書の資料を公開します。
アメリカの高校履歴書サンプル

上記の資料からも、勉強だけ出来ても通用しないのが確認出来ると思います。パソコン操作能力や語学力、アルバイト経験やボランティア活動等を通して成し遂げたこと(社会貢献経験)、そして、楽器やスポーツなどの特技や受賞歴他。この辺りが良いと、上手くいけば、奨学金対象にもなるので、バカになりません。そのため、意識の高い親は子供が小さい頃から、習い事の良い先生探しに必死です。



勿論、教育の仕組みの差もあります。アメリカは塾はありませんから、習い事やボランティア活動などの社会貢献等でコミュニケーションスキルやGritを鍛えたり、特殊スキル、人間磨きの場にもなるという風潮が日本よりあります。しかし、それには理由があり、実際にこれらにしっかり(出来るだけ長期に渡り)励んだ功績がある生徒は、大学に入っても、途中で投げ出したり、中退し難い統計も出ているからです。進学のみならず、就職の際の履歴書も同じ感じです。

日本の場合、大きくなるにつれ、学校と塾で一杯一杯になり、習い事は続け難くなります。塾と学校だけに集中し、志望校に入ったとしても、グローバル化は進み、先の見えない、変化する社会に出た時に、結果を出して、生き残れるのでしょうか。教育は国力に繋がります。日本という国を衰退させない為にも、全ての教育者、親が意識改革しないといけない瀬戸際なのかもしれません。

日本の先生たちのお話を聞くと、ピアノを習う人口はとても多いのに、長続き出来ないケースが多いようです。アメリカでは、高校まで習い事をしっかり励むことが一般的です。なので、長く続けているのもあると思いますが、大きな子で上手な子が日本より多かったです。
これには、いくつかの理由が考えられますが、その中の一つにあるのが、学習塾優位な教育システムです。(そうなった理由には、日本の義務教育は、「平均」が基準で、飛び級もない。同じくらいのレベルの生徒でのクラス分けがされていない等も、塾が流行るファクターかもしれません。個を認める米の教育とは異なります)
そのため、これはピアノ教育云々の前に、日本の教育システム全般に言える、根深い問題の様に感じます。これだけでも長い記事が書けるくらい内容が深いので、これはまたの機会にします。

ところが、徐々に日本も変わり始めている動きがあります。
以下、セミナーで使用した、日本の履歴書サンプルをご覧ください。


この資料は数年前のものです。更に、上記の資料の大学関係者からのお話では、これから益々「
ITの操作経験やスキル」が問われ、重要視されてくるので、ピアノレッスンの場合、オンラインレッスンの経験がプラスになると聞きました。また、コロナ以降定期的に行っている、オンライン発表会での、動画編集スキルなども活かせると考えられます。

もう一つ、ピティナの公式ページにあった資料も以下に紹介します。

ピティナの資料からも、日本の教育システムに数年前から変化があったことが分かると思います。アメリカの履歴書に近付いているようにも見えます。

教育においての音楽や芸術の学びは、脳=地頭を良くするのに良いというだけでなく、創造性を育み、ワクワクしたり、夢を持てたり、メンタル面の支えにもなるでしょう。答えのない答えを考えるスキルが重要な時代になりましたから、この辺りを鍛えれるのなら、子供達が激動の時代を生き抜いてくのに大変役立つのではないでしょうか。(余談ですが、上達は勿論ですが、地頭をよくするには、ピアノは良い先生に習い長く続けてこそです。これについては、脳科学やセミナーで使用した資料を用いて、またの機会に書きます)

今回紹介した資料からも、ギルドピアノ検定試験は、何もインターナショナルスクールの生徒や海外の大学を目指す生徒に限らず、日本国内でも有効と言えますし、上のピティナの資料の「その2」を見ると、「③部活動、ボランティア活動、留学、海外経験」というのがありますので、国際的な試験というのでも、グローバル化する時代に益々プラスですし、今後、更に需要が高くなると予測しています。(履歴書には、通訳なしで受け、合格と書けると思います)

私の生徒は、進学や入試の為にだけ、ギルドを受けている訳ではありませんが、何時何処で何にどう役立つのかを知る事で、生徒側も理解が深まり、納得し、より一層励めることに繋がると思います。

願書などへの記載例は、こちらをご参考ください。ここのページの下の方に書いてあります。

コンクール入賞歴も有効ですが、ギルド試験なら、神童の子ならハードルをいくらでも上げられ、また、障害のある子、ゆっくりなペースの子でも、無理なく継続出来るのがFairではないでしょうか。

今回使用した資料が見難い場合は、こちらをご参照ください。

それでは、参考になれたら幸いです。


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