米国ギルド試験と大学入試/就職「アメリカの教育の現状と日本の変化」(2019年開催ACM指導者向けセミナーより)
| 左から、日米で経験豊富な、吉村よしこ先生、私、 |
米国ギルド試験と進学・就職
― アメリカの教育と日本の変化 ―
2019年に開催された、ACM(American College of Musicians)指導者向けセミナーの内容について、以前メルマガでご紹介したところ、特に保護者の方から「気付きがあった」と大きな反響をいただきました。
このセミナーは内容が非常に広範囲にわたるため、今回から数回に分けて、ブログで分かりやすくお伝えしていきます。
ギルド試験は進学や就職にどう関わるのか
今回は、ギルドピアノ検定試験が進学・就職、そして教育にどのような影響を与えるのかについて、私自身の見解も交えてお話しします。
アメリカでは、ピアノ教師が生徒(音楽専攻でない場合も含めて)の推薦状を書くことは、昔から一般的です。
セミナーでご一緒した吉村先生からは、アメリカでの経験をもとに、
- 楽器やスポーツの習い事の需要の高さ
- 親の教育に対する意識の違い
- 習い事が評価される仕組み
について、具体的な資料とともにご説明いただきました。
(※アメリカは格差が大きいため、主に中流以上の家庭を前提としたお話です)
アメリカの履歴書から見える評価基準
| アメリカの高校履歴書サンプル |
アメリカの高校生の履歴書を見ると、評価されるポイントは非常に明確です。
- 学力だけでなく
- ITスキルや語学力
- アルバイト経験
- ボランティア活動(社会貢献)
- 楽器・スポーツの実績や継続歴
これらが総合的に評価され、場合によっては奨学金にも繋がります。
つまり、「勉強だけできれば良い」という世界ではありません。
そのため、教育意識の高い家庭ほど、子どもが小さい頃から良い指導者を探し、長期的に習い事に取り組ませています。
なぜ習い事が重要視されるのか
アメリカには日本のような「塾文化」がほとんどありません。
その代わりに、
- 習い事
- ボランティア活動
- 社会経験
を通して、
- コミュニケーション能力
- 継続力(Grit)
- 人間性
を育てるという考え方があります。
さらに、これらに長期間取り組んできた生徒は、
👉 大学入学後の中退率が低い
という統計もあり、評価される明確な理由が存在しています。
日本の教育にも起きている変化
一方、日本でも変化が見られます。
ピティナの資料からも分かる通り、
- 部活動
- ボランティア
- 留学・海外経験
といった要素が評価対象になりつつあり、アメリカ型の評価基準に近づいてきています。
ギルド試験の価値
このような流れの中で、ギルドピアノ検定試験は
- 国際的な試験であること
- 継続的な努力を証明できること
- レベルに応じて無理なく挑戦できること
から、日本国内でも十分に有効だと考えています。
特に、
- 才能のある子はどこまでも上を目指せる
- ゆっくりなペースの子でも継続できる
という点は、とても公平で教育的価値が高いと感じています。
これからの時代に必要な力
これからの時代は、「正解のある問題」だけでなく、
👉 正解のない問いに向き合う力
が求められます。
音楽や芸術の学びは、
- 創造性
- 思考力
- メンタルの安定
を育てる大切な要素です。
そして、それらは子どもたちがこれからの社会を生き抜くための「土台」になります。
日本の課題とこれから
日本では成長するにつれて、
- 学校
- 塾
で時間が埋まり、習い事を続けることが難しくなる傾向があります。
しかし、本当にそれだけで良いのでしょうか。
志望校に入ることがゴールではなく、その先の社会で
👉 自分の力で生き抜く力
が求められる時代です。
教育は、国の未来そのものです。
今こそ、教育に関わるすべての人が、少しずつでも意識を変えていく必要があるのではないかと感じています。

