ピアノ等でGritが鍛えられる←アメリカの多くの保護者は強い直感で気付いている



今回は、アメリカの心理学者のダックワース博士が、

ピアノレッスンやバレエやスポーツなどの体系的な練習が必要な課外活動が、

如何にGritを鍛えるのに重要且つ役立つかという事を、

科学的検証を行った上で書いた本の一節(原文と日本語訳)を引用して、お伝えしたいと思います。


多くのアメリカの保護者達は、習い事が子供の成長、豊かさ、成功に大いに有効なことを、

強い直感で分かっています。



<日本語訳>です:


「課外活動」を絶対にすべし ── 衝撃的な効果 


ある日、当時4歳だった娘のルーシーがキッチンのテーブルに座って、レーズンの小さな箱を開けようとしていた。

お腹が空いてレーズンを食べたいのに、箱のてっぺんの部分がどうしてもうまく開けられない。

1分ほどすると、娘はためいきをついて箱を置き、向こうへ行ってしまった。

そのようすを隣の部屋から見ていた私は、ぎょっとして思わず息を呑んだ。

レーズンの箱も開けられないなんて、何て根気がないんだろう! 

こんな調子で大きくなったら、「やり抜く力」が身につくはずがない。

私はルーシーのあとを追いかけて、「もういちどやってみようよ」と励ました。

温かくも厳しく言って聞かせようと、がんばってみた。

しかし、娘は頑として「もういい」と言って聞かなかった。

近所にバレエスタジオを見つけ、娘をかよわせることにしたのは、それからまもなくのことだ。私も多くの親たちと同じように、

バレエや、ピアノや、フットボールなど、体系的な練習が必要な課外活動は「やり抜く力」を伸ばすのに

効果的だと思っている。こうした課外活動には、ほかの活動にはない重要なふたつの特徴がある。

ひとつは、親以外のおとなの指導を受けること(温かくも厳しい指導者が望ましい)。

もうひとつは、このような活動に取り組めば、

興味を深め、練習に励み、目的を持ち、希望を失わずに取り組むことを学べるからだ。

バレエスタジオ、リサイタルホール、道場、競技場などは、いずれも「やり抜く力」を鍛える場所と言える。」(『やり抜く力』(アンジェラ・ダックワース, 神崎 朗子 著)より)


_______

<原文>です:


The Playing Fields of Grit —---


「One day, when she was about four years old, my daughter Lucy sat at the kitchen table,

struggling to open a little box of raisins. She was hungry. She wanted those raisins.

But the top of that box stubbornly resisted her efforts.

After a minute or so, she put down the unopened box with a sigh and wandered off.

I was watching from another room, and I nearly gasped.

Oh god, my daughter has been defeated by a box of raisins!

What are the odds she’ll grow up to have any grit?

I rushed over and encouraged Lucy to try again.

I did my best to be both supportive and demanding.

Nevertheless, she refused. Not long after,

I found a ballet studio around the corner and signed her up.

Like a lot of parents, I had a strong intuition that grit is enhanced by doing activities

like ballet… or piano… or football… or really any structured extracurricular activity.

These activities possess two important features

that are hard to replicate in any other setting.

First, there’s an adult in charge—ideally, a supportive and demanding one—who is not

the parent. Second, these pursuits are designed to cultivate interest, practice, purpose,

and hope. The ballet studio, the recital hall, the dojo, the basketball court,

the gridiron—these are」(『Grit: The Power of Passion and Perseverance (English Edition)』(Angela Duckworth 著)より)

________


原文にあるLike a lot of parents, I had a strong intuition that grit is enhanced by doing activities

like ballet… or piano… or football… or really any structured extracurricular activity.  


の、〜have a strong intuition とは、上記の日本語訳と私は異なる印象を感じるのですが、

単に良いと思うというよりも、”直感的に強く感じる”とも解釈できると思います。


今回shareした一節からも、課外授業でGritを鍛えられることを、

アメリカの保護者の多くは、しっかり気付けているということが分かると思います。

実際のアメリカでの経験からも、これには同感です。また、励み方にも差を感じています。

また、暖かくも厳しい指導者が望ましいというのも頷けます。


日本だと、本質よりもみんなと同じ事をする方が落ち着く教育を受けてしまっているのもあり、

なかなか難しそうではありますが、”Hope is good"なので、少しずつでも変えられると信じて、

良くしていけたらいいですよね。


次回は、そもそもなぜGritが重要なのかを書きたいと思います。



Comments