🎹 音楽レッスンは言語力を高める (MIT研究・2018年)〜なぜ「音符を読む力」がすべての土台なのか〜
なぜ「音符を読む力」がすべての土台なのか
— ピアノと言語の関係から見えてきたこと —
【はじめに】
最近、自分がこれまで積み重ねてきたことを、
もっと広く、必要としている方に向けて伝えていきたいと思うようになりました。
レッスンの中だけでは、どうしても伝えきれないことがあります。
また、すべての方に同じように伝わるわけでもないと感じています。
だからこそ、
必要な方に、必要なタイミングで届けばいい。
そんな思いで、これから少しずつ言葉にしていこうと思います。
教室の生徒さんや保護者の方も、疑問があれば遠慮なく聞いてください。
そこからのやり取りこそが、一番意味のある時間だと思っています。
【参考になる研究について】
まず最初に、今回のテーマに関連する研究をご紹介します。
MITによる研究で、ピアノレッスンが子どもの言語能力にどのような影響を与えるかが調べられています。
https://news.mit.edu/2018/how-music-lessons-can-improve-language-skills-0625
この研究では、
音の違いを聞き分ける力(特に言葉)が向上することが示されています。
NOTE:全文の和訳は下にあるので、興味のある方はどうぞ。
【ここから見えてくること】
この研究で見逃せないポイントは、
週3回・45分のレッスンを継続している点です。
現実的には、週1回のレッスンがほとんどです。
つまり、
レッスンだけで同じ効果を期待するのは難しいと考えられます。
ではどうするか。
日常の中で「読む練習」を補うことが必要になります。
【私の経験から感じていること】
私はこれまで、アメリカと日本で多くの生徒を指導してきました。
その中で確信していることがあります。
音符を読める子は伸びる。
読めない子は、どこかで止まる。
そしてもう一つ、
ピアノが伸びる子は、言語の力も高い傾向があると感じています。
これは研究ではなく経験ですが、
無視できないほどはっきりした傾向です。
【音符を読むということ】
音符を読む力には、
音の高さ
リズム(拍)
調性(キー)
すべてが含まれます。
そして最も重要なのは、
楽譜を見て弾くこと(手を見ないこと)です。
これができなければ、
上級への道は難しくなります。
【家庭での積み重ね】
研究のような頻度でレッスンを受けることが難しい以上、
日常の積み重ねが不可欠です。
1日5分でも構いません。
この積み重ねが「読める力」を育てます。
【最後に】
ここまで書いてきた内容は、
研究と私自身の経験の両方から考えたものです。
すべての方に当てはまるわけではありませんが、
必要な方にとってのヒントになれば嬉しく思います。
【次回について】
次回は、
ご家庭でできる5〜10分の具体的な練習方法についてご紹介したいと思います。
🎹 音楽レッスンは言語力を高める
(MIT研究・2018年)
幼児のピアノ教育が、言葉の聞き分け能力を向上させることが明らかに
アン・トラフトン|MITニュースオフィス
2018年6月25日
マサチューセッツ工科大学(MIT)の新しい研究により、
ピアノレッスンは幼児の「音の高さ(ピッチ)」を聞き分ける能力に対して、
非常に特異的な効果をもたらすことが分かりました。
そしてこの能力の向上は、
👉 話し言葉の違いを聞き分ける力の向上にもつながる
ことが示されています。
■ 音楽は言語力を高めるのか?
これまでにも多くの研究で、音楽教育が言語能力を高めることは示されてきました。
しかし、
- 音楽が「全体的な知能(IQなど)」を高めることで言語力が上がるのか
- それとも「言語処理そのもの」に直接影響するのか
は明らかになっていませんでした。
■ 研究の主な発見
今回の研究では、
👉 ピアノレッスンは、音の違いを聞き分ける力をピンポイントで向上させる
ことが分かりました。
特に、
👉 子音の違いを聞き分ける能力が大きく向上
しました。
一方で、
- IQ
- 注意力
- ワーキングメモリ
といった全体的な認知能力には変化は見られませんでした。
MITの研究者であり本研究の責任著者であるロバート・デシモーネは次のように述べています。
「子どもたちは一般的な認知能力では差が見られませんでしたが、
言葉の聞き分け、特に子音においては明らかな向上が見られました。
その中でもピアノグループが最も大きな改善を示しました。」
■ 読み書き指導以上の効果の可能性
この研究は中国・北京で行われ、
音楽教育が言語能力の向上において、
👉 追加の読解指導と同等、あるいはそれ以上の効果を持つ可能性
を示しています。
研究が行われた学校では現在もピアノレッスンが継続されており、
研究者たちはこの結果が、他の学校でも音楽教育を維持・強化するきっかけになることを期待しています。
■ 研究方法
この研究には、4〜5歳の子ども74人が参加しました。
3つのグループに分けて比較しました:
- 週3回・45分のピアノレッスンを受けるグループ
- 同じ時間、追加の読解指導を受けるグループ
- どちらも受けないグループ
6か月後、子どもたちは以下の能力についてテストを受けました:
- 母音の違い
- 子音の違い
- 声調(トーン)の違い
をもとにした単語の聞き分け能力
■ 結果の詳細
-
ピアノグループは
👉 子音の違いを聞き分ける能力で最も高い成績 -
ピアノグループと読解グループの両方は
👉 母音の聞き分けでは、何も受けていないグループより優れていた
■ 脳の反応にも変化
脳波(EEG)を用いた測定では、
ピアノを学んだ子どもは
👉 異なる高さの音に対して、より強い脳の反応を示した
ことが分かりました。
これは、
👉 音の違いに対する感度が高まったこと
を意味し、
👉 その結果として言葉の違いもより正確に聞き分けられるようになった
と考えられます。
■ 言語習得への重要な意味
デシモーネは次のように述べています。
「言語を学ぶうえで最も重要なことの一つは、
言葉の違いを聞き取る能力です。
子どもたちはこの点において、明確な恩恵を受けていました。」
■ 音楽は“脳の特定の力”を鍛える
今回の研究では、
👉 ピアノレッスンは言語に関わる能力を選択的に強化する
一方で、
👉 一般的な知能には影響を与えない
ことが示されました。
■ 教育への示唆
研究者たちは、
👉 音楽教育を削減するべきではない
と強調しています。
「ピアノ教育は、特に音の違いを認識する能力において、
追加の読解指導よりも優れている可能性があります。
つまり学校は音楽に投資する価値があります。」
■ 今後の研究
今後は、
👉 音楽トレーニングによって脳にどのような変化が起こるのか
をさらに詳しく調べる予定です。
■ 研究資金
本研究は、中国国家自然科学基金、北京市科学技術委員会などの支援を受けて行われました。
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【追伸】
実際の例として、私がアメリカで指導していた生徒の成長記録のプレイリストをご紹介します。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLtZxnIeavt1eaGZc28b1blW8KIeeDWdFA
この生徒は、5歳から始めて約2年間(5歳〜6歳)指導した男の子です。
ピアノが特別得意というタイプではなく、長時間練習することも難しいタイプでした。
それでも、
👉 1日平均15〜20分程度の練習
を継続し、ここまで演奏できるようになりました。
レッスンでは、お母様ともよく話し合いながら、
特に「譜読み(音符を読む力)」をしっかり育てることに力を入れました。
その結果としての成長です。習った感想:https://yumiereviews.blogspot.com/2015/04/blog-post_30.html
また、別の例として、
👉 1日2〜3時間しっかり練習する生徒
の場合は、同じような取り組みを続けることで、
さらに大きな伸びにつながっていきます。
https://www.youtube.com/playlist?list=PL7B09D40F91BE210F(6ヶ月でここまで成長しました)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL7B09D40F91BE210F
習った感想:https://yumiereviews.blogspot.com/2015/03/blog-post_24.html
また、別の例として、
👉 1日30分〜1時間しっかり練習する生徒
https://www.youtube.com/watch?v=Pgyfs1XQuuo&list=PLtZxnIeavt1eECwqqEW-li50QrJ0He-te
https://www.youtube.com/watch?v=Pgyfs1XQuuo&list=PLtZxnIeavt1eECwqqEW-li50QrJ0He-te
習った感想:https://yumiereviews.blogspot.com/2015/07/blog-post.html
大切なのは、
👉 練習時間の長さだけではなく
👉 「何を積み重ねているか」
です。
短い時間でも、正しい方向で積み重ねれば、
確実に力は伸びていきます。


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